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【企業向け】退職勧奨で言ってはいけないこととは

退職勧奨は、企業が従業員に自主的な退職を促す場面です。

しかし、発言の内容によっては「退職強要」や「ハラスメント」と判断され、法的トラブルに発展するおそれがあります。

今回は、退職勧奨で絶対に避けるべき発言を具体的に解説します。

退職勧奨で避けるべき発言の種類

退職勧奨において、以下のような発言は特にトラブルにつながりやすく、避ける必要があります。

 

  • 人格を否定する発言
  • 退職以外に選択肢がないかのような発言
  • 虚偽の発言
  • 退職を執拗に迫るような発言
  • ハラスメントに該当する発言

 

それぞれ確認していきましょう。

人格を否定する発言

人格や価値を否定する発言は、名誉毀損やパワハラと認定される可能性が高くなります。

仮に改善点を指摘する意図があったとしても、表現方法を誤れば「人格否定」と受け取られるおそれがあるため、事実や業務実績に基づいた説明が必要です。

 

【具体例】

  • 「あなたは社会人として失格だ」
  • 「能力が低すぎて使い物にならない」

退職以外に選択肢がないかのような発言

他の可能性を排除する発言は、強制的に退職を迫ったと判断されるおそれがあります。

特に「許されない」という表現は、精神的圧迫を与えることになります。

 

【具体例】

  • 「辞める以外の道はない」
  • 「残ることは許されない」

虚偽の発言

事実と異なる情報で退職を促すのは、後に不当勧奨として責任を問われる可能性があります。

後に事実関係が明らかになれば、企業の信用失墜にも直結します。

情報を提示する際は必ず客観的な根拠を確認し、正確な事実のみを伝えてください。

 

【具体例】

  • 「会社がもうすぐ倒産する」※事実でない場合
  • 「他部署はすべて人員が埋まっている」※根拠がない場合

退職を執拗に迫るような発言

短期間に繰り返し圧力をかける行為は、強要と判断されるおそれがあります。

退職勧奨はあくまで話し合いの機会であり、結論を急がせることは望ましくありません。

検討期間を十分に設けるのが重要です。

 

【具体例】

  • 「何度でも面談するが、結論は退職で決まりだ」
  • 「今すぐ答えを出せ」

ハラスメントに該当する発言

従業員の私生活や年齢、性別などに言及して不安を与えるのは、セクハラやパワハラの典型例です。

家庭や健康、年齢といった要素は業務遂行能力とは直接関係がなく、触れること自体が不適切とされます。

 

【具体例】

  • 「家庭の事情を知られてもいいのか」
  • 「年齢的にももう厳しいだろう」

まとめ

退職勧奨における発言は、企業にとって法的リスクと信用低下の両方を伴う重要な要素です。

事実に基づき、従業員の意思を尊重する誠実な対応を心がけるのが重要です。

退職勧奨での発言や進め方に不安がある場合は、弁護士などの法律の専門家への相談を検討してください。

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